10年落ちどころか14年落ちの古いスタッドレスで雪道は走れるのか?

お久しぶりです、アンリミテッドの伊藤です。
下取りで入ってきた車のスタッドレスタイヤが、なんと2010年製(現在は2024年)という10年落ちどころか14年落ちというびっくりなタイヤでして。ダンロップのスタッドレスタイヤなのですが、古いスタッドレスタイヤで果たして無事に雪道を走ることができるのでしょうか?という実験をしてみました。

結論から言うと、新雪、積雪、圧雪、シャーベット状の路面ならば驚くことに普通に走れました。ただミラーバーンやアイスバーンの路面だと死ぬほど怖いです。しかし真冬の北海道の道路を走れてしまうとは、いやはやダンロップのスタッドレスタイヤは侮れません。
スタッドレスタイヤは古くなるとゴムが硬くなって危険というのはよく言われる話です。それで言うとやはり頭一つ抜けてブリヂストンのスタッドレスタイヤが性能的に優秀なのは間違いないのですが、今回の実験の結果タイヤの硬さよりも残溝のほうが大切だということが判明しました。中古でスタッドレスを買う人は、メーカーよりも残溝の深さがあるタイヤをチョイスするのが正解っぽいです。

スタッドレスタイヤは製造から5年経つと硬くなって危険とよく言いますが、それは新品と比較して性能が落ちるという話なだけで雪道用タイヤとしては溝が有れば十分に役に立ちます。もちろん法外にすり減ったスタッドレスタイヤでは何の役にも立たないのは言うまでもないことですが、一般市街地、一般国道、一般国道の峠道山道程度なら4WD車でなくてもFF車で十分に走破することが可能です。4WD車はたしかに登坂力に優れていますが、FF車でも十分にドライビングテクニックで乗り越えられる局面は多々あります。よほど特殊な状況でない限り、FF車で冬道で走行不能に陥ったことはほぼないです。その「ほぼ」の例外の時の安心の為に雪国の人は4WD車を選ぶのですが、車両性能やタイヤ性能より運転者のスキル(運転技術や見極める能力)のほうが差はつきます。私は長いこと北海道の豪雪地帯で雪道に弱いFR車(FF車よりもさらに雪道に弱い)に乗ってきましたが、スタックするのはせいぜい1年に1回くらいでしたね。流石にFR車に乗っている時はスタックしそうな局面には近づかないように気をつけていましたが、その時もスパイクタイヤを履いていない時はいつ買ったかわからないような中古のスタッドレスタイヤばかり履いていましたね。実体験として「安全に行ける」というのがあるので、タイヤメーカーの回し者みたいな「常に最新のスタッドレスタイヤを履け」みたいな意見は却下です(笑)

あと古いスタッドレスタイヤを履いている時に限った話ではないんですが、雪道でABSが作動した時の心構えをひとつ。もしABSが作動したらそれはタイヤの限界が来ているということなので「ロックしないようにブレーキを緩める」ではなく「4輪ともABSを効かせるようにさらに強くブレーキを踏み込む」が正解です。ガガガガとか作動音がするとびっくりしてブレーキを緩めてしまう人がいますが、それは全くの逆です。ブレーキペダルを踏む足は一本しかないので、足が4本ブレーキペダルも4本ない限り人間がタイヤ4輪それぞれの最適ブレーキ踏力を使い分けることは不可能ですので、ブレーキのコントロールはABSという優秀な機械に任せきってしまったほうが確実です。なのでABSが作動し始めたらそれは危険のシグナルですのでとにかく強くブレーキを踏みましょう。

そしてここからは「積雪なんて年に1回くらいしかしないし、そのためだけにスタッドレスタイヤなんて買ってられねーよ」という地方にお住まいの方に向けた独り言になります。実は私何回か積雪路面をサマータイヤというかいわゆる夏タイヤで走ったことがあるんですよね。

一度は平地で完全な新雪が積もった路面で、4WDのインプレッサGC8で国道を走りました。意外なことに4WDだと前には進むんですよね。ただ曲がる止まるができません。エンジンブレーキだけで走るような感じです。最高速も50キロくらいで限界です。なにせブレーキを踏んでも全然止まれませんから、信号のある区間はのろのろ運転するしかないんです。それでも無事帰ってきました。あのときは本当に4WDの強さを感じましたね。

また別の時はFRのスープラで積雪の峠越えをしました。難所で有名(?)な国道38号線狩勝峠です。行きは天候も好天で完全ドライだったので油断していました。十勝サーキットで走った帰路、峠は完全に積雪です。夏タイヤで峠越えをしようなんて馬鹿げているにも程があります。でもその日その時間に帰らないと、多分数時間後には狩勝峠は通行止めになってしまう感じです。なので行くしかありません。そのスープラはバキバキにLSDが効いていましたから普通のオープンデフのFRよりも有利でしたが、それでも峠を登るにつれてどんどん速度が遅くなって行きます。リアタイヤが空転するので全部ドリフト状態で走っていたのですが、「これは途中で止まったら身動き取れなくなるぞ」と思いどこでUターンしようか葛藤していました。するとギリギリ覆道区間に到達できて、上りの雪道からは開放されました。一安心です。
峠の山頂を越えたあとの下りはずっとエンジンブレーキだけで速度調節して普通にソロソロと走って帰ってきました。峠を越えたら、あとの平地区間はシャーベット状の積雪だったのでそんなに苦労することなく無事に自宅までたどり着きました。

夏タイヤで雪道を走る際に最も気をつけること、それは「止まらない」です。一度完全に止まってしまうと再発進が不可能になる可能性があります。なのでとにかくトロトロ運転が基本です。まあ信号なら予測できるのでそれで良いんですけれど一時停止の標識はどうするんだというお話ですが、それはまあアレです(笑)

それを考えたら、14年落ちとはいえ残溝のあるスタッドレスタイヤなら4WDでなくてもFFなら余裕ですネ!(笑)
でも何度も言いますがアイスバーン、ミラーバーンには要注意です。車間距離は死ぬほどとって本当に追突注意。外気温度がマイナスになり、路面温度もマイナスになった時の濡れた状態から凍結に変化した路面が一番滑ります。いやそもそも氷の上をゴムのタイヤで走ろうとする事が間違っているんですよ。スパイクタイヤ復活希望。そういや先輩が倉庫の奥からRE39R(スパイクタイヤ)発掘したから履くとか言っていたけれど、39Rって何年前のタイヤなんだ?30年?そんなタイヤ履けるのかよ・・・まあ14年前のスタッドレスタイヤ使った人が言うセリフではありませんがね。

スパイクタイヤといえば、当サイト内のスパイクタイヤを買いに来た走り屋ギャルの話(http://www.unlimitedracingjapan.com/blog/studded1/)もぜひ読んでみてください。

それではまた次回。

 

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