FC3S,FD3S,RX-7,RX-8等、ロータリー車のエンジン始動時の常識

先日仕事で伺ったタイヤ屋さんでたまたまRX-7の売り物を見つけてしまいました。
私は以前FCにもFDにも乗っていましたが、やはり心が動くのは今日見たFC3Sですね。FDにはなぜかあまり心が動きませんのです。

(画像はイメージです)

価格は259万円と結構強気な設定。
そして車内を覗き込むと・・・ボロボロ。ブロアモーターとかも室内に転がったままになっています。ですが4点ベルトだとか、昔なつかしPFC-FCONとか、機械式ブーストコントローラーだとかが雑然と付いていました。
これは私の勝手なイメージなのですが、多分どこかに10年くらい乗らないで放置していた車を処分しようと引っ張り出してきたのではないのかと。そういう感じの作り方の車でした。

とりあえずエンジンを掛けてみないとお話になりません。お店の方がカギを持ってきてくれるまでの間外装をチェックします。ぱっと見は綺麗だったのですが、サイドステップに隠れている車体のフレームがかなり腐食してきていました。下回りは・・・まあ思ったほど錆びてはいませんでしたが、ジャッキポイント周辺は完全にダメでした。

そしてエンジン始動。ロータリーのエンジンの掛け方には人それぞれコツがあって、私の場合はかならずアクセルを全開に踏み込んだ状態でにセルを回したまま少し長めにその状態をキープし、セルを回したまますっとアクセルを離します。すると大体一発でかかります。

これはロータリー車の場合特にエンジン始動時プラグがかぶりやすいので、正式名称はデチョークというらしいのですがアクセル全開でセルを回すとインジェクターが燃料を吹かないという独特の仕様になっているのでそれを使って内部をある程度強制乾燥させてからエンジンを掛けるという技です。

もちろんエンジンが掛かったらといって油断していると、ロータリーはすぐエンストしてプラグがかぶってしまいます。なのでタコメーターやエンジン音に注意しながら、ストールしそうになったらアクセルを少し開けて回転をあげてやらなければなりません。ある程度エンジンが温まればきちんとアイドリングしだしますので、そうなってから初めてアクセルペダルから足を離すことができます。

で、アイドリングさせたままボンネットを開けてみました。予想通り、エアポンプはありませんでした。エンジンルームもかなり汚れていて水回りの配管が一部なかったり、なんだか結構弄り回した途中のまま放置という感じでした。

ですがブースト計をみると意外な事にアイドリング時の負圧は-500程度と結構あります。暖機が終わってからアクセルを踏み込んでやると綺麗にロータリー独特の音を立てて吹けあがります。エンジンはもしかするとかなり大当たりなのか?

すると別の店員がやってきて、実はこの車北海道でも有名なワタヤワークスさんでエンジンをOHしてからまだナラシも終わっていない状態なんです、と説明してくれました。

・・・・・・いや、エンジンが調子いいのは認めますし、ワタヤさんでOHしてあるのかもしれないけれど、まさかワタヤさんがエンジンを降ろしているのにこんなにエンジンルームが汚いままのわけがないでしょう。確かに昔ワタヤさんでエンジンOHしたのかもしれませんが、その後中途半端にいじったまま途中で結局何年も放置してあったのは明らかです。

まあどちらにしてもこれをきちんと仕上げるとなると、せっかくコンディションの良さそうなエンジンなんですからまずPFC-FCONなんていう旧世紀の遺物は窓から放り捨てて、VProあたりでセッティングのやり直しでしょう。車体の下回りの腐食も手遅れにならないうちに何とかしないといけませんし、室内その他細かいところも相当時間を掛けて仕上げないといけないです。

まあ現実的には、生半可な予算では無理という判断が妥当なところでしょうか。

でも今日は実に良い目の保養ができました。それでエンジンを切ろうと思って一度ポンとアクセルを踏み込んで回転を上げたあと、タコメーターの針が落ち始めた瞬間にイグニッションをオフにしました。

これもロータリー独特のエンジンの切り方のコツで、インジェクターからの燃料噴射が切れたあとも惰性で少しエンジンを回す事によってエンジン内部を換気して乾燥させてやるというものです。こうする事によって次回のエンジン始動時にかぶりにくくなります。

・・・・・・・・・と思ったらいつまでもアイドリングしています。なんで?と思ってあたりを見回すと、ターボタイマーが作動していました。個人的な意見としてロータリー車にターボタイマーの組み合わせというのはうなぎと梅干くらい(?)相性の悪いもので最悪です。仕方がないので一旦イグニッションをオンに戻してからターボタイマーの電源を落とし、それからもう一度空ぶかしをしてエンジンを切りました。

よそ様のお店の車なのですが、どうかこの貴重なFC3Sが車を大事にしてくれるお客様のところに行きますように。

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