オートウェイが強度不足の輸入ホイール販売で検挙!?ブリヂストン製ホイール回収騒ぎとVIAマークの闇!

はいどうも、バーチャル車屋さんのケインです。

超激安輸入アジアンタイヤ販売で有名なAUTOWAYさんの関係者らが、「国内の安全基準を満たしていないホイールを販売した」として愛知県警に不正競争防止法違反の疑いで検挙されてしまいました。

詳細は不明なのですが、おそらく不正に「JWL」マークか「VIA」マークを刻印したホイールを販売したということなのだと推測されます。

報道では「(自動車のホイールは)国が安全基準を定めていて、メーカーが強度試験をした上で、販売の際は基準を満たしていることを証明するマークを付けなければいけない」と書かれておりますが、実は今回の事件に対してのコメントとしてはこの表現、微妙に論点がずれている事に皆さんお気づきでしょうか。

実はタイヤホイールの超大手ブリヂストン(の孫会社であるブリヂストンリテールジャパン)でさえ2017年に強度不足のホイールを販売したとして回収騒ぎを起こしています。当時の報道はこんな内容です。

ブリヂストン孫会社の「ブリヂストンリテールジャパン」は1日、強度不足のタイヤホイールがあるとして39万5272枚の自主回収を始め、国土交通省に届け出た。

縁石にぶつけるなど強い衝撃が加わるとホイールが割れ、走行不能となる恐れがあり、無償で交換する。

国土交通省と同社によると、対象は2014年9月~17年5月に出荷されたアルミホイールで、商品名は「バルミナXR10」「バルミナX10」「トップランR5」「トリップR5」。不具合や事故の報告はなく、社内の抽出検査で強度不足の製品が判明した。

http://www.bridgestone.co.jp/customer/20170601.html

はい。この件では誰も逮捕されていません。この回収されたホイールにはJWL・VIAマークが付いていたのにも関わらずです。ここにこの業界の深い闇が垣間見えた人は私と同類で、暗殺される危険性があります(笑) すこし詳しく説明します。

一般的な感想としては「自主的に公表して回収したんだからまだマトモだ」と思われがちですが、実はこれ、そんなに簡単な話ではないんです。

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ブリヂストン製に限らず日本で流通しているアルミホイールはほぼ例外なく「JWL」という刻印が入っています。これは超ざっくばらんに言うと、この刻印の意味は、このアルミホイールはこれこれこういう日本国内の安全基準を満たしてすよ、という製造メーカー側の自主申告での表示です。自主申告という点に注意です。ちなみにこのJWLマークの入っていないアルミホイールを装着していた場合、車検に不合格になります。マジで。

 

そしてこれと似たようなマークで「VIA」というマークが存在します。こいつが曲者で、JWLマークは製造側の自主申告なのに対してこちらのマークは一般財団法人日本車両検査協会という経済産業省の天下り団体がホイールの強度等の検査をして合格したものにだけ刻印することが許されているのです。

 

VIAマークのあるなしは車検には関係ありませんし、登録の法的義務もありません。JWLマークにプラスしてVIAマークが入っていればそのアルミホイールはさらにいっそう安心ですよ、という話です。

 

そしてここからが本題なのですが、2017年に回収騒ぎを起こしたブリヂストンのホイールには、全てその「VIA」マークが入っているのです。これは非常に由々しき事態です。

BSのホームページに詳しい説明が載っていますので、まずは参照してください。

http://www.bs-awh.ne.jp/faq/index.html

 

ホイールの強度試験そのものは一般財団法人日本車両検査協会のさらに下部組織的な、「自動車用軽合金製ホイール試験協議会」という微妙に怪しげな(?)団体が実施しています。どんな団体かは説明するのが面倒なのでリンクを貼っておきますね。

 

自動車用軽合金製ホイール試験協議会

https://www.jwtc.jp/open/html/index.html

 

ここの親組織が前述した一般財団法人日本車両検査協会、略称がなんとVIAです。

http://jvia.or.jp/s-08.html

 

つまりVIAマークの入っているホイールに瑕疵があった場合、これら二つの団体は一体何をやっているんじゃ!という責任問題になるレベルの大事なのですが、何故かそういった視点での報道は一切ありませんでした。

 

むしろブリヂストンが自主的に回収しましたえらいえらい的な印象すら覚えてしまいます。しかしVIAの検査に合格したホイールなのに強度不足が露見したとなれば、それはVIAの検査がザルだったのか、それともVIA検査をパスしたあとにブリヂストンが製造上の手抜きやインチキをしたのか、そこの点を明確にしなければならない筈です。ブリヂストンがインチキをしたというのであれば、当然何らかのペナルティ、具体的にはVIAマーク表示の不許可などの厳しい処分を課すべきです。そのためにわざわざ財団法人なんとかだの、なんとか協議会だのの天下り団体が存在し、税金から補助金を貰ったりぶったまげるような検査費用を徴収したりしているのでしょうから。

 

なのにそれをしないというのなら、じゃあなんでVIAマークが存在するのか、JWLマークだけで良いじゃないかという話になります。マーク表示の許認可権限を持っているのなら、その責任も発生するだろうという社会一般的にごくあたりまえの事をどうして誰も指摘しないのか、そして報道しないのか、そこに自動車利権に係る深い闇が存在する訳です。不用意にこの闇へと足を踏み入れた者は、夜は月夜ばかりではないということをその身をもって思い知ることになるであろう。こわいこわい。

そういった視点から考えると、今回オートウェイが販売したホイールに何のマークが刻印されていたのかとても気になるところです。これがVIAマークであれば「なに勝手にVIAマーク付けとんじゃワレ!」という話になりますが、JWLマークだけであればただ単にホイールを作った製造者の責任ということになり、それを輸入して販売しただけであるオートウェイに法的責任はないことになります。検挙理由が不正競争防止法違反の容疑というのも大いに気になります。もしこのホイールをオートウェイが自ら製造していたというのなら話はまったく変わってきますが、ただ単に強度不足のホイールを流通させたという理由なら、オートウェイもブリヂストンも同罪ではないでしょうか?

 

ここからは個人的な意見ですが、社外アルミホイールなんてものはちょっと衝撃を与えたらすぐ歪んだり割れたりするものであって、そういう点も含めて管理は自己責任であるべきだと思うのですよ。なのに行政やその下部組織が利権に刺さりこんでくれば来るほどホイールの製造コストが増し、その結果が価格上昇という形でユーザーに転嫁されてしまうのです。

 

例えホイールが割れなくても、走行中に強い衝撃を受ければタイロッドが曲がったり、下手をすればエアバッグが開いたりするのですから、ホイールの基準だけ強化してもあまり意味がない気がしてなりません。私の運転は基本的に段差等でも減速せずジャンプ気味に飛んでいく走り方なのでアルミホイールは過去に何本となく曲げてきました。JWLマークとかVIAマークとか全然関係なく曲がります。その中で唯一「このホイールだけは大丈夫」と信じられたアルミホイールはBBSだけですね。無駄に価格が高いのが難点ですが、強度で考えた時にはやはりBBSのアルミホイールが個人的には一押しです。

 

ヤフオク等で売っている安いパチモノBBSでも、ちゃんとパチモノだと理解してパチモノにふさわしい使い方をするならばそれは別に構わないと思いますよ。使う側がどれだけメンテナンスに気を配れるか、それが一番重要だからです。なぜなら仮に粗悪品ホイールがどんなに大量に流通したとしても、ホイールに関する事故の原因トップの座は「ホイールナットの緩みによる脱落」で揺るがないからです。アルミホイールの安全性うんぬんを語るよりも、最低限まずドライバー自身がホイールナットの定期的な締め付け確認と空気圧の点検をきちんと行うように心がけましょう。

 

ケインはユーザー視線に立って格安タイヤを提供してくれているオートウェイさんを応援しています!!

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