臨時運行許可番号票(臨番・仮ナンバー)を長期借りる方法

最近市役所で仮ナンバーを素直に5日間貸してくれなくなったという話を耳にします。そこでどうしたら複数日仮ナンバーを借りられるか整理してみました。

まず仮ナンバーとは正式には臨時運行許可番号票(臨番)と言います。この貸し出しは本来運輸支局の業務なのですが、支局だけではあまりに不便なので各市でも委任事務として貸出業務を行っています。つまり市の窓口でトラブルが起きたら彼らは支局に相談の電話をします。ここが一つのポイントで、すぐ支局に電話する市と、めったにしない市が存在します。めったにしない市のほうが、はっきり言って手続きがザルです。例えば臨番の貸し出し目的が車検の場合問答無用で3日間、回送で5日間貸してくれる市なんかはザルということです。別にザルというのが悪いと言っているわけではなくて借りる側からしたらそのほうが利便性が高いんですから、そういった市で臨番を借りるのが一番手っ取り早いです。別に居住地や目的地で借りなければならないという法律があるわけではないので好きなことろで借りたら良いんです。まああまりないとは思いますがもし理由を聞かれたら「車両本体が(申請している)市に保管してある」とかでも言えば良いんです。ただし要注意なのは、車検で借りる場合でも回送で借りる場合でも、必ず申請する経路は移動ルート上にその当該市が存在するようにしてください。車検を受ける支局⇔臨番を申請した市⇔車検整備する所在地という位置関係の場合で発地が臨番を申請した市、目的地が車検を受ける支局だとアウトです。支局⇔車検整備する所在地⇔臨番を申請した市という位置関係でないと目的外使用となって罰せられる可能性が出てきます。なので発地は車検整備をする所在地か臨番を申請する市のいずれか遠いところのほうにするほうが書類的には無難です。

そして借りられる日数ですが、一応車検の場合は有効期限最大3日、回送の場合は有効期限最大5日と決まっています。なお使用当日の朝になんて忙しくて申請してられないというケースも多いので事前申請が可能というのをご存じない方がたまにいますが、事前申請は可能です。ただ事前申請して手元にナンバーがあるからといって有効期間外にその臨番で走行すると無車検運行で6点+罰金刑となるので要注意です。話は戻りますが臨番の返却は運用が各市役所ごとで曖昧なので、有効期限が切れてから5日以内に返却してくださいという市役所があるかと思えば、有効期限以内に必ず返却しろとかいう市役所もあったりとこれまたまちまちです。もちろん有効期限が土日祝日に切れる場合もあるので、臨番の有効期限内に絶対返せというところは少ないと思いますが、もしそういう市役所にあたってしまった場合は仕方がないので戸籍届出等を受付している休日夜間窓口に返却してください。嫌がられるかもしれませんが・・・

そして肝心の借し出し最大日数の話ですが、厳密に言うと各市役所に対して運輸支局から通達が出ていで「5日(ないし3日)のうちで必要最低限の日数に制限しろ」と指導されています。なので移動距離が短い場合は車検でも回送でも1日しか貸してくれないケースが多発しています。これについては市役所窓口との交渉となります。明確な理由があれば窓口では副数日貸し出せるので、「車検は予備検で、車検に合格したら翌日遠隔地に臨番のまま回送しなければならない」とか「発地はここだが、部品の関係で修理作業が遠隔地でないと行えないので移動に往復3日かかる」とか、虚偽にならない範囲でいろいろ工夫してみてください。ただ一番重要なのは申請する書面上と実際に運行する発地と経由地(当着地)の関係性に矛盾がないことです。窓口で適当なことを言っても書面には残らないので後日不正利用とかあれやこれや言われる心配はあまりないですが、利用の目的(車検・回送)と発地・経由地の関係は厳しく見られますので注意が必要です。発地経由地のエリア内で運行している分には咎められることはないですが、そのエリアを逸脱して運行していると「目的外使用、道路運送法違反」になるので車検で臨番を借りる場合でも回送の要素があるのなら、どちらかというと回送で借りて日数と発地経由地を目的の範囲内で最大限拡大したほうがより合法的だと思います。北海道で言えば「旭川で予備検査を受けて、合格したら翌日自走で札幌まで行ってナンバーの交付を受ける」という理由付けがあるなら札幌~旭川間は合法的に2日間回送できることになります。もちろん借りるときはそういう予定だったけれども急遽変更になっていきなり一日で札幌で検査を受けるという事になっても全く問題はありません。

もちろん前述しましたが運用が曖昧な市役所では申請者が何も言わず3日ないし5日で申請した場合そのまま受理してくれる市役所がけっこう存在するので、そういった市を見つけておいてそこで借りるのが一番楽でしょう。

普通はここまで理論武装しておけばだいたい最低限の目的は達せられるはずですが、どうしても車検で1日しか貸してくれない市役所から臨番を借りなければならないケースがあったりします。実はその時に使う最終手段があります。臨番自体は当日申請ではなく事前申請が可能なので(つまり3日後の朝に使うから今日から借りるとか)、その制度を利用して例えば今日申請して明日一日の分を借りる、そして同じ臨番の番号で今日申請して明後日の分を借りる。同様に3日後の分も借りる、つまり毎回ナンバーを付け替えなくても済むように連続して同じ臨番を3日分借りるという方法です。この場合1回につきそれぞれ750円かかりますので余計な費用負担(3倍)が発生しますが、コストは掛かってもいいから手間は掛けたくないという場合は有効な方法です。もちろんそんな借り方をする人は普通いないので窓口で多少揉めるかもしれませんが、別に3枚の臨番を貸し出すのも1枚でまとめるのも同じ事なので通常は強くお願いすれば借りられるはずです。どうしてもダメだったらバラバラで3枚(前後で6枚)臨番を借りて、一日ごとに付け替えるしかないです。付け替えるのを面倒臭がって期限が切れた臨番(もしくは期限の到来していない臨番)で走行した場合、これは無車検運行となり6点の違反点数+罰金刑となるので注意が必要です。臨番の申請書に記載している有効期限とはそのくらい重いものなのです。

市役所の窓口は結構いい加減なのですが、担当者によってはものすごく細かいことを言ってくる嫌な人も中にはいます。私なんかは路上の積載車に積んである車両をちょっと奥の敷地まで自走するために臨番を借りようとしたら「なんでそんな程度で臨番が必要なんですか?」と市役所の人に怒られたことがあります。まあその担当者は運輸支局にまで電話を掛けて、結局支局の人に説教されていましたが。それとか、なんで法人でもないのに個人名で頻繁に臨番を借りるのだと文句を言われたこともあります。その時は1時間以上窓口で揉めて最終的には古物商許可証を提示することで臨番を借りることができましたが、次回も必要になるかと思って古物商許可証を持っていったらそんなの必要ないといわれてスムーズに借りられて肩透かしを喰らったとか。一体何なんでしょう。

臨番交付業務は本来ならどこでも同じ、一律運用が理想なのでしょうが現実として各市役所ごとにばらつきがあるのが現実です。ですが臨番の許可は各市がその権限で行っているので、例えばある市で3日間借りられたらそれは3日間合法ということになります。うまく窓口と付き合ってなるべくトラブルの無いようにしていきたいものですね。

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