買っても良い事故車と、買ってはダメな事故車の見分け方

はいどうも、バーチャル車屋さんのケインです。
世間一般では中古車を買うときに「とにかく事故車はダメ」というのが一般論としてまかり通っていますが、私は一概にそうは言えないと思っています。事故車だって良いクルマはたくさんあります。でも今回は買ってはいけないダメな事故車の例を挙げてみましょう。

またまた登場のトラスト企画さんです。この黒いBRZは高年式車、低走行で市場価値が高い車です。実は、このBRZを走るようにするためにもう一台ドナーとなる青いBRZを仕入れてきていてそっちを部品取りにして潰しています。

素人考えだとどう見ても事故車じゃない方の青いBRZのほうが良さそうですよね。でも年式や走行距離で市場価値は簡単に逆転します。なのでわざわざ黒い方のBRZを修理しているのです。
さて簡単にこの黒いBRZの今後を行き先を説明すると、まずこの状態で業者オークションに出品されます。そして多分そこそこの値段で板金工場とか中古車店が購入して、フルに修理をします。そして綺麗になったら今度は事故車なのに結構高い値段で店頭でユーザーへ販売されます。

これで「買ってはいけない事故車」の出来上がりです。

なぜ買ってはいけないのか。それは修理に加担した人が誰一人としてこの車に思い入れがないからです。言い換えれば金のことしか考えていないからとも言えます。例えばまっすぐ走らないとか、雨漏りがするとか、小さな異音がするとか、そんなことにはこの車の修復に関わった人たち誰一人として興味がありません。この車が生みだす利益にしか興味がないからです。当然そのツケを払わされるのはエンドユーザーです。買ったあとでクレームを付けても後の祭り、「だって事故車ですからねえ」と言われて終わりです。

ではどういう事故車なら買っても良いのでしょうか。それは「オーナーが自ら修理をした車」です。自分で修理と言っても自分で鈑金してという意味ではありませんよ、事故の後も自分が乗り続けるためにお金を掛けて(保険でも何でもいいですが)直した車で、修理後もきちんと乗られていた車です。

オーナーなら手抜き修理で直されても「きちんと直っていない」ことがすぐわかります。それがわかれば大体のオーナーは妥協しないできちんと修理にこだわるはずです。その車に愛着が無いのであれば、事故にあったあとの選択肢は廃車→買い替えになるからです。要は修理したあとにきちんと乗り続けていて不具合がないことを確認されているかどうかが「買っても良い事故車かそうでないか」の分岐点となります。

ところで最初に紹介したほうの動画の8分36秒くらいから、トラスト企画さんはものすごく面白いことを言っています。AE86のオーナーとかシルビア系のオーナーを相手にしても商売にならないというような趣旨の話です。その部分からのリンクも一応貼っておきますね。

「(SRエンジン系の)ミサイルの人たちは、基本的には北朝鮮と同じ扱いだから(笑)」

これは一般的な解体屋さんの本音でしょう。儲けが出る綺麗で高い部品より、傷物でも安い部品を欲しがるDIY派のお客相手に商売をしても儲からないから、なるべくなら取引はお断りしたい。だからトラスト企画さんではシルビア系の部品はあまり扱わず、GT-Rなどの「比較的裕福な層」をターゲットにした商売をしている、と。
解体屋さんは基本的にこういった商売が当たり前ですから、良い悪いではなく以前書いたR31ハウスさんのような所とは本質的な違いが出てくるわけですね。

ケインは本音の動画を公開してくるトラスト企画さんを応援しています!

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