スパイクタイヤ大騒動 7 基地外社長と世の中なめてる走り屋ギャル

「ストーカー!?私が?何をどないしたらそんなことになるねん」

俺は取調べ室のパイプ椅子から飛び上がらんばかりの勢いで反駁した。

すると美人の女性刑事さんが第一取調べ室に入ってきて、先ほどの巡査を制して言葉を続けた。

「みいちゃんさんは怖がっています。そしてもう今後ケインさんとは一切連絡を取りたくないと言っています。だからもうメールとか電話とか一切掛けないで欲しいんです」

俺は虚を衝かれて一瞬言葉を失った。だが、俺がみいちゃんに怖がられる理由などないし、そもそもストーカーと呼ばれる覚えすらない。俺はその美人の女性刑事さんに反論した。

「その話は、はいそうですかと聞き入れるわけには行かない。なぜならみいちゃんと最後に連絡した時の本人の意思は『これからも仲良くしてくださいね』ってことだった。なのにそのあと俺は当人に何もしていないのに何故いきなりそうなるの?俺としては本人から直接『もう関わらないでください』とはっきり言われないかぎり、その要請を受け入れることは出来ない」

「でも本人がそう言っているんです」

「ですから、それはあなた達警察の方がそういっているだけで、私が本人から直接聞いたわけじゃない。それじゃ何の証拠にもならないでしょう。そもそも、私がみいちゃんと知り合ったあと、本人から車の運転が上手くなりたいという相談を受けた時だって、私が直接みいちゃんに手取り足取り教えたりしたら、こんないい歳をしたオヤジがあんな若い子になにちょっかい掛けているんだよこのエロオヤジなんてあらぬ疑いの目で周りから見られるのがわかりきっているので、あえて私の友人で北海道トップクラスの女性ドライバーをみいちゃんに紹介して、そっちに全部丸投げしたんですよ。そのくらい細心の注意を払って接しているのになんでストーカーなんですか」

「・・・・確かに、その有名な女性の方を紹介していただいたという事に関しては、みいちゃんさんはとてもケインさんに感謝していました」

「それなのにいきなり、もう連絡しないでください、と本人が言っているというのは俺の中ではどうしても話が繋がらない。勘繰って考えるとあなた達警察がそう言っているだけで、本人はそんな事は思っていないんじゃないかとさえ疑ってしまう。やはりこれについては警察の方立会いでもいいので本人から直接面と向かって言ってもらうか、メールお手紙糸電話テレパシーなどの方法で俺にはっきり伝えていただかないことにはどうしても承服しかねる」

美人の女性刑事さんは頭脳明晰な方なので、私の言い分にも一理あるという事を理解していただいたようだ。そして、もうわたし疲れた、あとは任せたわよという感じで第一取り調べ室から去っていった。警察関係者も一旦全員それに続いて出て行った。

俺もふうとため息をついた。疲れた。

あと2回くらい続く。

この作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ありません

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