トラスト企画さんのスカイライン動画がなかなか面白すぎる

はいどうも、キュートなハナちゃんファンのケインです。

以前にも紹介しましたが、日本中からものすごい数のスカイラインをかき集めているトラスト企画さんという部品屋さんがあります。そこがyoutubeを始めて色々動画を公開しているのですが、なかなかキワドイ動画もあったりして興味深いのでちょっと紹介してみましょう。

こちらの動画は、いかにして日本国内からGT-Rなどの希少なスポーツカーが輸出されていくかの解説動画です。イメージ的にはトラスト企画さんがバンバン海外に32GT-Rとかを輸出しているイメージがあるのですが、「実はそうではない」という内容です。

でも私の想像ですけれど、トラスト企画さんは直接海外に一台も輸出したことないとおっしゃってますが取引先に輸出専門業者さんいるでしょう???海外に流れていくのわかっていてその業者に業販しているのなら結局輸出しているのと同じなのでは・・・と思ったのは秘密です。

あと32・33GT-Rやトヨタのハイエースとか(笑)業者オークションに出品すると結構海外のバイヤーさんが買っていったりします。

まあハイエースの話は別として、どうして32GT-Rを中心としたスポーツカーが北米に流出していくのかをかいつまんで説明しましょう。

アメリカ国内では基本的に右ハンドルの車は違法です。販売もできません。32GT-Rは左ハンドル仕様が存在せず全て右ハンドルだったので、新車も中古も北米では一切販売されていませんでした。ただし北米には25年ルールという面白い規則があって、新車販売から25年経過した車両についてはクラシックカー扱いで右ハンドルでも販売、走行してOKという決まりになっています。そこでアメリカ中から白羽の矢が立ったのが32GT-Rです。ワイルド・スピードにも出てきた幻の車が買えるということで32Rはガンガン輸出されるようになりました。

ちなみにJZA70、JZA80スープラやランエボ、インプレッサ、シルビア、RX-7等は北米でも左ハンドル仕様を最初からメーカーで新車販売していたのでGT-Rとはちょっと事情が異なります。わざわざ車体を日本から北米まで持っていく必要性があまりないのです。

現在は33GT-Rも25年ルールの対象に入ってきていて、ますます北米への輸出が盛んになっているようです。

それと北米の25年ルールとは全く関係なく、それ以前からGT-R等の高級スポーツカーは実は東南アジアや中東に結構輸出されていました。何を隠そう私が昔乗っていたNISMOタービン仕様の32GT-Rも、何故か最終的にドバイの富豪のもとへと旅立っていきました。あの当時はまさかこんなに国内で希少になるなんて考えてもいなかったんですよ・・・後悔先に立たずとはこのことです。

ついでにもう少し昔話をすると、1980~1990年代の国内スポーツカーが激減している背景にはもう一つの大きな理由があります。それは2008年北京オリンピックです。

当時中国では未曾有の建設ラッシュで鉄鋼が不足しており、日本を含めた世界中から鉄くずを買い集めていました。特に日本でターゲットになったのは放置自動車です。いつか復活させようと畑や山林に置いてあったスポーツカー(に限るわけではありませんがとにかく全ての放置自動車)が根こそぎ一台3万円で買い取られていったのです。2008年までのその一連の鉄価格高騰により、80年代90年代の希少な車が数多く失われました。私も当時、農家の空き地に70スープラと13シルビアを置いてあったのですが、屑鉄業者がどこからか来て「売ってくれ」と寝ぼけたことを言われたりしました。もちろん売りませんでした。

さてここでもう一つトラスト企画さんの動画を紹介しましょう。「こんな車を買ってはいけない 33GT-R編」です。

この綺麗な33R、オークションで180万円で仕入れしてきたそうです。北米のバイヤーが買いそうな感じですが、彼らが手を出さないのにはそれなりの理由があるとか・・・

この33Rのダメなところは下回りの錆、タコメーター不調、左フロント足回り不具合、左リアクォーター交換、エンジンオイル漏れ(滲み)だそうです。

こんな状態の車を買って200万掛けてレストアするくらいなら、最初からもう120万円足して300万円でもっと程度の良い車を買ったほうが良いじゃないか!というのがトラスト企画さんの考え方です。

でもそうしたら、この180万円の33Rはどうなっちゃうの?バラバラのパーツにされて解体ですか?それとも北米以外の地域に輸出ですか?商業的な採算ベースに乗らないポンコツ車は、コツコツ修理しながら乗る価値もない車ですか?

いやいやそんなことはないでしょう。私達は「それは違う!」という実例をたくさん目にしています。そう、AE86です。

AE86は今でも国内に限らずヨーロッパ等世界的に人気の車です。そして世界でも日本国内でも、AE86に乗っている人はどんなにボディが錆でダメでもそうそう簡単にそのAE86を見捨てたりはしません。今この瞬間も皆が錆と戦いながら必死にAE86を維持しているのです。それはもうボディが存在しないから、つまり希少だからです。

無いパーツは作ればいい。でもボディだけはレストアしながら維持していくしかないんです。例えば件の180万円33R、実際に乗ろうと思ったらどれくらいメンテ費用が掛かるか考えてみましょう。フロント足回りはもしかしたら調整式のアームにしないとアライメントが出ないかもしれません。メーターパネルは修理か交換しないとダメでしょう。エンジンオイルの漏れ、本当はエンジンを下ろしてオイルシール交換したいところですがもしかしたらワコーズの添加剤でとりあえずなんとかなるかもしれません。下回りの錆だって何も今すぐ対策しなくてはならない訳じゃないでしょう。もっと下回りが腐っている車なんてそこら中に走っています。とりあえずそれだけ手を掛けたとして、一体何十万円掛かるというのでしょうか。修理費込でその金額なら、乗りたい人たくさんいると思いますよ。

もちろんこの例えはこの33Rの車体の程度をきちんと理解して、適正な値段で買った場合の話であって、このRを350万円で売る車屋がいたらそれはボッタクリです。

ついでにもうひとつふたつ動画を紹介しましょう。

業販価格25万円のENR34です。いやこれエンジンからタペットか何かの異音出ているでしょう!?出品票にもエンジン異音って書いてあるし・・・それに動画中リフトに上げてるときもエンジンかけっぱなしだし「エンストしたら終わり」って、もしかしたらセルモーター不良?

業販価格170万円のBNR32です。説明動画の最後の最後で冠水車ということが明らかになります。冠水車は業者オークションでも出品拒否なので、トラスト企画さんとしては直接小売りしたいのだと思いますが。いちばん大事なことなんですから最初に冠水車って説明してくださいよ。まあ私はまるっきり冠水車を否定するわけではないのですけれど、リスクがかなり高いのは事実です。

そんな感じでなんだかアンチみたくなってしまいましたが別にそんなことはなく、むしろ面白い動画をいつも上げてくださって感謝です。商業ベースでの視点とユーザー視点は噛み合わないというのは企画をする前からわかりきったことなのですが、それでも動画投稿に挑戦し続けるトラスト企画さんをケインは陰ながら応援しています。

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